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2012年10月

2012年10月30日 (火)

浜田弁(石見弁)4

こんばんは。 

山陰・浜田は午前中は雨、午後からも重苦しい雲が頭上を覆う寒い秋の一日でした。このまま転げるように冬に突入するんでしょうねえ。

さて、今日はまだまだ途中の方言講座とまいります。

  

「た行」

たいぎい=めんどくさい。億劫な。※あまりやりたくないという気持ちがこもった言葉です。よく使われます。

たう=届く。例文:それたう?(それ届く?)

~たった=てやった。例文:言うたった(言ってやった)。やったった(やってやった)

たまげる=びっくりする。驚く。

だらず=怠け者。怠惰。※名詞です。

~たる(ちゃる)=~てやる。例文:言うたるけえのお(言ってやるからな)

~たんさい(ちゃんさい)=~して下さい。「~してやんさい」の短縮。例文:来たんさい(来てください)

~たんさる(ちゃんさる)=~して下さる。「~してやんさる」の短縮。例文:来たんさる(来て下さる)

ちっと(ちーと)=少し。※「ちょっと」より「ちっと」を多用します。

つろうて=連れ立って。

てごー=手伝う。例文:てごーしてくれん?(手伝ってくれない?)

どがー()=どのような。

どべ=最下位。しんがり。

 

「な行」

なあ=ない。例文:金がなあけえやれん(金がないから困った)。※「なあなる(なくなる)」を「のおなる」と発音することもあります。

ながしゅう=久しぶりに。長いこと。例文:ながしゅう会わんけえ(長いことあってないから)。

なして=なんで。何故。例文:ありゃなしてかいね?(あれはなんでかな?)

なんぎな=大変な。苦しい。例文:言うのもなんぎなでえ(言うのも大変だ)※名詞としての「難儀」はたぶん使ってません。

~にゃあ=~ねば。例文:言わにゃあ(言わねば)

ぬくい=あったかい。

~のお=~なあ(ねえ)。例文:よーやるのお(よくやるなあ)

 

やれやれ、これで4回目となった方言講座。

もっとさくっと終わるつもりだったのに。

気軽に思いつきで始めちゃいけませんね。

今の気持ちは、今回の最初の方言「たいぎい」の一言につきます。

まあ、終わらせますけど。

 

たぶん次回で終わりです。

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2012年10月26日 (金)

浜田弁(石見弁)3

 さて、今日は「さ行」。

「か行」に「げな」を追加しました。

   

「さ行」

 さばる=つかむ。さわる。例文:あんまりさばんさんなよ(あまり触らないのよ)。

 さぶい=寒い。例文:えらーさぶーのー(ひどく寒いね)。※多くの場合「さぶー」と発音する

  ~さし=の途中。やりかけ。例文:たべさし(食べかけ)。やりくさし(やりかけ)。※なんにでも「~さし」とつかない気がするけど、どのくらいバリエーションがあるのか不明。

しごーする=1、片づける。処理する2、やっつける。こらしめる。例文:いらんことしよると、しごーするで(悪さしてると、お仕置きするだぞ)。※転じて「手におえない」「性質が悪い」を「しごんならん」。「いたずらっ子」「悪がき」を「しごんならず」と言います。

してる=捨てる。

しわい=苦しい。しんどい。

すいー=酸っぱい。※「酸い」の変化ですね。

せあ()ない(しゃあない)=大丈夫。問題ない。※「世話ない」から来たものでしょう。

せびる=ねだる。

そがー=そのような。

そりゃ=それは。

 

それでは、さぶーなって来ましたが、みなさん風邪などひかないように。

 ではまた、次に続くということで。

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2012年10月25日 (木)

浜田弁(石見弁)2

気が向いてるうちに畳み掛けないと飽きるタイプなので、ここは昨日に続けて方言の話。

昨日の「あ行」も増補、改訂しましたので、よかったら見直してみてください。

 

「か行」 

 

 ~がー=~だろう?賛意を求める疑問形でよく使われる。例文:ワイルドだがー?(ワイルドだろう?)※「~ろうがー?」という形も多い。例文:高かろうがー?(高いだろう?)。男性的な気がします。

 ~かいのお(ねえ)=~なのかな()?例文:食べたかいねえ?(食べたの?)

 

 かた=家。家族。~の方。単独では用いない。例文:あんた()がた(あんたの家・あんたのとこ)。わし()がた(私の家・私のとこ)

  

汽車=JRの車両※方言というより電化せれてない路線に走るため汽車という言葉が使われ続けてます。

 ~けえ=1、だよね。賛意を示す。疑問文にも使える。例文:あがーだけえ(ああだよね)。女性的?2、~だから~。文中に使う場合はほぼこちら。例文:あがーだけえ、言うたろうがー(ああだから、言っただろう?)。

げな=1、~だそうだ。例文:買うたげな(買ったそうだ)。2、~風な。~ような。例文:知ったげなことを(知った風なことを)

 

げぼ=ゲロ。嘔吐。

こんな=こいつ。例文:こんなはどこ行っとった(こいつはどこに行ってた?)※アクセントは「こ」。

こがー()=このような。例文:こがーせんの(こんなことしないの)。

こりゃ=これは。例文:こりゃうまーのー(こいつはおいしいね)。※「これが」のときは使いません。

 

んー、このぐらいかな。気付いたらまた足してくということで、今回はここまで。

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2012年10月24日 (水)

浜田弁(石見弁) 1

思いついたので、今日は方言について、お話しすることにましょー。

まず島根県を分けると、このところ大きく問題になっている竹島を含む隠岐諸島部(含むって言ってもかなり距離がありますが)と出雲地方(東側)、石見地方(西側)3つになります。

隠岐の方言はまったく知らないので省きますが、出雲の方言については、石見と大きく違ってます。

NHKの連ドラのタイトルにもなった「だんだん」=出雲弁の「ありがとう」ですが、石見人にはちっとも通じません。

方言では石見人と出雲人の会話が成り立たないでしょー。

発音も東北のズーズー弁に近く、これは松本清張の「砂の器」で、犯人を特定するキーとして使われてます。

石見弁は、むしろ山口や広島の方言とかなり似通っており、この後あげる方言もどこまで純粋な石見弁と言えるのか正直分かりません。

たぶん戦国大名の毛利氏の勢力圏が大いに関係しているものと思われます。

発音は標準語とほとんど変わりません。

というより明治政府に長州 (山口) 人が多かったため、標準語がこちらの発音に近いものとなったという話を聞いたことがありますが、真偽は不明です。

では、さっそく思いつく石見弁をてきとーに挙げて行きます。

ちなみに私はこれらの方言を使いこなしてはいませんから

「あ行」

あがー()=あのように()。例文:あがーに言わんでもよかろーが?(あんな風に言わなくてもいいだろう?)※あがー、こがー、そがー、となります。

あんな=あいつ※アクセントは「あ」。例文:あんなの言うことは(あいつの言うことは)

あるまー=ないだろう。例文:そがーなことあるまーが(そんなことはないだろう)。※あるまいが変化したものかと。

ありゃ= 1あれは。例文:ありゃなに?(あれは何?)。2有りは。例文:食いもんがありゃーする(食べるものが有りはする)。

ありゃせん=ない。例文:金なんかありゃせん(金はない!)※「ない」も使うが、「あるまー」「ありゃせん」をより多く使っている気がします。

いかい=大きい。例文:いかいイカだのー(大きいイカだねえ)

いけん=いかん。ダメ。例文:意見はいけんよ(意見はダメですよ)

いぬ()=帰る。例文:はよーいね(早く帰れ)。※五段活用します。後ろが「で」とかだと「ぬ」は「ん」に変化。

いたしい=難しい。大変な。苦しい。例文:いたしいこと言うなや(難しいこと言わないでくれ)。

えらい=1、とても。例文:えらいいたしい(とても大変)。2、苦しい。疲れる。例文:こりゃえらいのー(こいつは大変)。※「いたしい」は難しいの意味からほかの意味ができてる気がします。その辺が「えらい」と違うのかなあ。

おいい=多い。※県内出身アナウンサーは放送でも使ってしまいます。

おく=終える。やめる。例文:ここらでおくか(この辺で終えようか)。※もともとは「置く」の意味合いの一つかと思いますが、よく使います。

()・い(ー)・う()・お()=形容詞「○○い」は「い」の前の母音を伸ばす。例:「あまい」→「あまー」、「からい」→「からー」、「こい」→「こいー」、「うすい」→「うすー」、「ひろい」→「ひろー」、「しろい」→「しろー」となる。※母音「e」をつかう形容詞が思いつかなかったけど「え」もあるかも。とはいえ「いー」「うー」「おー」も使ったり使わなかったりです。

ということで、今日はこのぐらいでおきます。

気が向いたときに、また続きをやります。

まあ明日かもしれませんが。

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